その他 多発性骨髄腫:知っておくべき知識
多発性骨髄腫は、血液にできるがんの一種です。血液は、体中に酸素や栄養を運び、老廃物を回収するなど、生命維持に欠かせない役割を担っています。血液は、主に赤血球、白血球、血小板の3種類の細胞からできており、これらは骨の中心部にある骨髄で作られています。多発性骨髄腫は、この骨髄で作られる白血球の一種である形質細胞に異常が生じ、がん化したものです。形質細胞は、通常、体内に侵入してきた細菌やウイルスなどの異物から体を守る抗体と呼ばれる物質を作っています。しかし、多発性骨髄腫では、形質細胞が異常に増殖し、腫瘍を形成します。この腫瘍は骨髄に広く散らばって発生するため、「多発性」という名前がついています。また、がん化した形質細胞は、正常な抗体ではなく、異常なタンパク質を大量に作り出します。この異常なタンパク質は、血液をドロドロの状態にするなど、様々な臓器に悪影響を及ぼし、腎臓の機能低下や貧血、感染症にかかりやすくなるなど、多様な症状を引き起こします。さらに、がん化した形質細胞は、骨を溶かす物質も産生するため、骨がもろくなり、骨折しやすくなります。そのため、腰や背中の痛みといった症状が現れることもあります。多発性骨髄腫は、比較的高齢者に多い病気で、原因はまだ完全には解明されていませんが、加齢や遺伝的要因、環境要因などが複雑に関係していると考えられています。
