
有限責任中間法人:新しい法人のかたち
中間法人は、平成十四年四月に施行された中間法人法という法律に基づいて設立された新しい種類の法人です。株式会社や一般社団法人などとは異なる独自の特性を持っています。
中間法人は、会員が共通して持つ利益を追求することを目的としています。例えば、ある特定の地域社会の活性化や特定の分野の学術研究の推進といった共通の目標を掲げ、その実現に向けて活動します。しかし、株式会社のように事業で得た利益を会員に分配することはありません。この点が、利益の分配を目的とする株式会社とは大きく異なる点です。
中間法人は、公益を目的とする公益法人と、利益を追求する営利法人の中間に位置づけられる存在です。公益法人とは異なり、公益を直接の目的として設立されるわけではありません。しかし、営利法人とは異なり、利益の追求だけを目的とするのでもなく、社会貢献活動を行うことも可能です。たとえば、地域住民のための交流イベントを開催したり、環境保護のための啓発活動を行ったりするなど、公益的な活動を通して社会に貢献することができます。
中間法人は、人々の様々なニーズに応える新しい組織運営の仕組みとして注目されています。従来の法人形態では、対応が難しかった新しい事業や活動に柔軟に対応できる可能性を秘めています。例えば、市民活動団体が法人格を取得して活動の幅を広げたい場合や、新しい事業に挑戦したい個人や団体が、比較的簡易な手続きで法人設立を行いたい場合などに、中間法人は有効な選択肢となり得ます。多様なニーズに対応できることから、今後、様々な分野での活用が期待されています。