慢性リンパ性甲状腺炎

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放射線と甲状腺の慢性炎症

甲状腺の慢性炎症とは、喉仏の下にある蝶々のような形をした甲状腺に、長い時間をかけて炎症が起きる病気です。甲状腺は、体の新陳代謝、つまり体の活動の速度やエネルギーの消費量を調節するホルモンを作っている大切な器官です。この甲状腺に炎症が慢性的に起こると、甲状腺の働きが低下し、様々な不調が現れます。慢性甲状腺炎には様々な種類がありますが、最も多いのは慢性リンパ性甲状腺炎です。これは、リンパ球と呼ばれる免疫細胞が甲状腺に集まり、炎症を起こすことによって甲状腺の組織が破壊されていく自己免疫疾患です。体を守るはずの免疫細胞が、自分の体の組織を攻撃してしまうのです。具体的な症状としては、疲れやすさや寒けを感じやすくなる、体重が増える、便秘がちになる、肌が乾燥する、記憶力が低下するなどがあります。これらの症状は、甲状腺ホルモンの分泌量が減少することで起こります。甲状腺ホルモンは、体の様々な機能に関わっているため、慢性炎症が進行すると、全身に様々な影響を及ぼす可能性があります。慢性リンパ性甲状腺炎の原因はまだ完全には解明されていません。しかし、遺伝的な要素と環境的な要素が複雑に関係していると考えられています。遺伝的にこの病気にかかりやすい体質の人が、特定の環境要因にさらされることで発症するという仕組みです。環境要因としては、細菌やウイルス感染、過度なストレス、ヨウ素の過剰摂取、放射線被ばくなどが挙げられています。また、女性ホルモンも関係していると考えられており、女性に多く発症するという特徴があります。慢性甲状腺炎は、早期発見、早期治療が大切です。気になる症状がある場合は、早めに医療機関を受診しましょう。