火力発電 未来の発電:石炭ガス化複合発電
石炭ガス化複合発電(IGCC)は、従来の石炭火力発電とは異なる、新しい発電方法です。従来の石炭火力では、石炭を燃やして直接水を温めて蒸気を作り、その蒸気でタービンを回して発電していました。しかし、IGCCは、より複雑で高度な工程を経て発電を行います。まず、細かく砕かれた石炭を、酸素と水蒸気が満たされたガス化炉に送り込みます。ガス化炉内は高温高圧に保たれており、石炭は燃焼するのではなく、熱分解という化学反応を起こします。この熱分解によって、石炭に含まれる炭素と水素が、水素や一酸化炭素といった可燃性ガスに変化します。これが「ガス化」と呼ばれる工程です。生成されたガスは、炉内の灰や不純物を取り除く精製過程を経て、ガスタービンを回す燃料として利用されます。ガスタービンを回転させることで、最初の発電が行われます。IGCCの特徴は、この後にもう一段階の発電工程があることです。ガスタービンから排出される排ガスは、まだ高温を保っています。IGCCでは、この排ガスの熱を無駄にすることなく、回収ボイラーを通して水を加熱し、蒸気を発生させます。そして、この蒸気で蒸気タービンを回し、さらに発電を行います。このように、IGCCはガスタービンと蒸気タービンの二つのタービンを組み合わせた複合発電方式を採用することで、従来の石炭火力発電よりも高い発電効率を実現しています。また、ガス化の過程で発生する二酸化炭素は、回収・貯留しやすく、地球温暖化対策への貢献も期待されています。まさに、限られた資源を最大限に活用する、環境にも配慮した革新的な発電技術と言えるでしょう。
