原子力発電 DNBと原子炉の安全性
物質を温めると、その状態は固体から液体、そして液体から気体へと変化します。液体が気体へと変化する現象を沸騰といいます。この沸騰という現象は、熱の移動を伴います。熱いお湯に氷を入れると氷は溶けて水になり、やがて周りの水と温度が同じくなります。これは熱が熱いお湯から冷たい氷へと移動したからです。沸騰も同様に、熱が移動することで起こります。例えば、やかんに水を入れて火にかけると、やかんの底から熱が水へと移動し、水が温められます。そして、水が十分に温められると沸騰が始まり、水蒸気へと変化します。この沸騰という現象を理解する上で、過熱度と熱流束という二つの重要な要素があります。過熱度とは、熱源の温度と沸点の差を表します。例えば、やかんの底の温度が120度で、水の沸点が100度だとすると、過熱度は20度になります。熱流束とは、単位時間あたりに単位面積を通過する熱量のことです。簡単に言えば、熱の移動の勢いを表します。過熱度と熱流束の関係を示したものが沸騰曲線です。この曲線は、熱流束が増加するにつれて沸騰の様子がどのように変化するかを示しています。沸騰の初期段階では、核沸騰と呼ばれる現象が起こります。熱源の表面に小さな気泡が多数発生し、水面へと浮上していきます。この気泡の発生と浮上によって、水が対流を起こし、かき混ぜられます。この対流によって熱が効率よく伝わるため、核沸騰は非常に高い熱伝達効率を誇ります。つまり、少ない熱量で効率よく液体を温めることができるのです。
