原子力発電 使用済み燃料再処理技術開発
高速増殖炉で使い終えた燃料を再利用するための技術を確立するには、再処理技術試験施設(略称再処理試験施設)が重要な役割を担っています。この施設は、実際に高速増殖炉で使用された燃料を使って、湿式法(ピュレックス法)と呼ばれる確立された再処理技術を、ほぼ実物と同じ規模の環境で検証するために作られました。高速増殖炉の燃料は、軽水炉で使われている燃料とはいくつかの点で異なっています。まず、高速増殖炉の燃料は、軽水炉の燃料よりも燃え尽きる割合が高い、つまり燃焼度が高いのが特徴です。そのため、核分裂によって生じた生成物の割合が高く、再処理を行う過程で特別な注意が必要となります。次に、プルトニウムの含有量が多いことも特徴です。このため、核分裂反応が暴走しないようにするための、臨界管理をより厳重に行う必要があります。三つ目の違いは、燃料を包む被覆管などの材料が軽水炉の燃料とは異なることです。これらの違いに対応するため、再処理試験施設では高速増殖炉の燃料特有の条件下で再処理技術を検証しています。具体的には、高い燃焼度やプルトニウム含有量といった条件を再現し、安全かつ効率的に再処理できるかを確認しています。さらに、高速増殖炉で使用される燃料被覆管の材質に対応した処理方法も検証しています。これにより、高速増殖炉特有の燃料を再処理するための技術を確立し、将来の高速増殖炉利用における燃料の循環利用の仕組み作りに貢献することを目指しています。この施設での試験結果をもとに、より安全で効率的な再処理技術の開発を進め、資源の有効利用と環境負荷の低減に繋げていくことが期待されています。
