その他 光る蛍光体:その不思議を探る
蛍光という現象は、物質が光などのエネルギーを吸収し、その後、異なる色の光としてエネルギーを放出する現象です。まるで物質が光を食べて、別の色の光を吐き出すかのように、エネルギーの変換が起きているのです。物質に光などのエネルギーを与えると、その物質の中の電子がエネルギーの高い状態へと励起されます。この状態は不安定なため、電子はすぐに元の安定した状態に戻ろうとします。この時、吸収したエネルギーを光として放出するのです。これが蛍光の仕組みです。蛍光灯はこの原理を応用した身近な例です。蛍光灯の管の中には水銀蒸気が封入されており、電気を流すと水銀蒸気から紫外線が発生します。この紫外線は目には見えません。しかし、管の内側に塗布された蛍光物質がこの紫外線を吸収し、可視光線に変換して放出するため、私たちは光として認識することができます。蛍光灯の種類によって蛍光物質が異なるため、放出される光の色も様々です。ブラックライトも蛍光を利用したものです。ブラックライトは紫外線に近い波長の光を放出します。この光を当てると、蛍光物質を含むものだけが明るく光って見えるため、偽造防止や鉱物鑑定など様々な用途に利用されています。例えば、お札には特殊なインクで印刷された模様があり、ブラックライトを当てると蛍光を発して光ります。テレビの画面にも蛍光物質が使われています。ブラウン管テレビでは、電子銃から発射された電子ビームが画面に塗布された蛍光物質に当たり、発光することで映像を表示していました。液晶テレビでは、バックライトの光を液晶で制御し、カラーフィルターを通すことで色を表現していますが、このバックライトにも蛍光物質が利用されています。このように蛍光は私たちの生活の様々な場面で利用され、豊かな社会を支えているのです。
