規制基準

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原子力発電

米国原子力発電の許認可制度改革

かつて、アメリカ合衆国で原子力発電所を新しく建設し、稼働させるには、合衆国連邦規制基準第10部50項という規則に基づき、二つの段階を踏んだ許可を得る手続きが必要でした。まず、発電所の建設工事を始める前に、建設許可を取得しなければなりませんでした。この許可は、発電所の設計図、建設予定地、そして事故を防ぐための対策などが、国の定めた安全基準を満たしているかを厳しく審査するものでした。設計図の内容が許可され、安全性が確認されてはじめて、建設工事に取り掛かることが認められました。次に、発電所の建設工事が完了し、実際に発電所を動かす前には、改めて運転許可を取得する必要がありました。運転許可は、実際に完成した発電所が、許可された設計図通りに正しく建設されているか、そして安全に運転できる状態になっているかを、改めて確認するための審査です。建設許可で認められた設計図通りに建設されているか、機器や設備が正しく設置され、機能しているかなどを細かく調べます。すべての検査に合格して、安全性が保証されてはじめて、発電所を動かすための許可が下りるのです。このように、建設許可と運転許可という二段階の手続きを踏むことで、原子力発電所の安全性を確保していましたが、同時に、これらの手続きには長い時間と多大な費用がかかり、事業者にとって大きな負担となっていました。また、一つ一つの発電所ごとに細かく審査が行われるため、手続きの進み具合や結果の予測が難しく、事業計画を立てる上で大きな課題となっていました。許可が下りるまでの期間が見通せないため、いつから発電を始められるのか、どれくらい費用がかかるのかを正確に予測することが難しかったのです。