蛍光X線分析

記事数:(1)

その他

蛍光X線分析:元素を知る魔法

物質を構成する元素の種類や量を調べる方法の一つに、蛍光X線分析という手法があります。この分析方法は、物質にX線やガンマ線を当てた時に起こる現象を利用しています。物質は原子でできており、原子は中心にある原子核とその周りを回る電子で構成されています。電子は原子核の周りを回る際、決まったエネルギーの軌道上を回っています。この軌道のことを電子殻といい、原子核に近い方からK殻、L殻、M殻…と呼ばれています。ここにX線やガンマ線を照射すると、内殻にある電子はエネルギーを受け取って励起状態になり、原子から飛び出します。すると、内殻に電子が抜けた穴、つまり空孔ができます。原子はこの状態を不安定と感じるため、すぐに外殻にある電子が空になった内殻へと移動します。この時、外殻と内殻のエネルギーの差に対応するエネルギーがX線として放出されます。これが蛍光X線です。蛍光X線のエネルギーは元素の種類によってそれぞれ特有の値を示します。つまり、放出された蛍光X線のエネルギーを測定することで、その物質にどの元素がどれだけ含まれているのかを分析することができるのです。この蛍光X線分析は、非破壊で分析できるという大きな利点も持っています。そのため、様々な分野で活用されています。例えば、金属材料の組成分析や、考古学における土器の産地特定、環境分析における大気汚染物質の測定など、幅広い分野で利用されています。