その他 空の旅と放射線被ばく
私たちは地球上で暮らす中で、常に自然の放射線を浴びています。大地や空気、食べ物など、身の回りのあらゆるものから微量の放射線が出ているのです。しかし、飛行機に乗ると、地上よりも強い宇宙放射線にさらされます。これは、飛行機が空高く飛ぶためです。私たちの地球は、大気の層で覆われています。この大気は、太陽や宇宙から降り注ぐ有害な放射線から私たちを守ってくれる盾のような役割を果たしています。地上では、大気の層が厚いため、宇宙放射線は弱められています。しかし、飛行機が高度を上げるにつれて、この大気の盾は薄くなっていきます。つまり、宇宙放射線を遮るものが少なくなるため、地上よりも強い放射線にさらされることになるのです。高度が1万メートルを超えると、宇宙放射線の影響は顕著になります。旅客機は一般的にこの高度を飛行するため、乗客や乗務員は少なからず宇宙放射線の影響を受けます。飛行時間が長いほど、また、北極や南極に近い高緯度地域を飛行するほど、被ばく量は増加します。高緯度地域では、地球の磁場が宇宙放射線を遮る効果が弱まるためです。国際線のパイロットや客室乗務員など、頻繁に飛行機を利用する人たちは、一般の人よりも多くの宇宙放射線を浴びる可能性があります。また、妊娠中の女性は、お腹の中の赤ちゃんへの影響も考慮する必要があります。もちろん、数回の飛行機旅行で健康に大きな影響が出ることは稀です。しかし、宇宙放射線被ばくのリスクについて理解しておくことは大切です。宇宙放射線による被ばくを少しでも減らすためには、フライトのルートや時間帯を考慮することも有効です。例えば、高緯度地域を避けるルートを選ぶ、夜間に飛行する便を選ぶなど、工夫次第で被ばく量を低減できます。航空会社によっては、乗務員の被ばく線量管理を行っているところもあります。
