脱硫

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火力発電

排煙処理で環境保全と資源活用

火力発電は、私たちの暮らしに欠かせない電気を送り届ける上で、無くてはならない役割を果たしています。しかし同時に、地球環境に影響を与えるのも事実です。発電所から煙突を通して排出される煙の中には、硫黄酸化物や窒素酸化物といった体に良くない物質が含まれており、これらは大気を汚し、酸性雨の原因となります。そのため、排出される煙をきれいにする処理は、環境を守る上で極めて重要です。昔から行われている排煙処理の方法では、これらの有害物質を取り除くことはできました。しかし、処理によって発生する副産物の使い道は限られていました。例えば、硫黄酸化物を除去する過程で発生する石膏は、一部は建材として利用されますが、全てを使い切ることは難しく、埋め立て処分される場合もありました。窒素酸化物の処理では、アンモニアを使用しますが、これもまた新たなコストを生み出します。そこで、環境への負担を軽くし、資源を有効に活用するために、新しい技術の開発が続けられています。例えば、回収した硫黄から肥料や化学製品の原料を作り出す技術や、窒素酸化物を分解して無害な窒素と酸素に戻す技術などが研究されています。これらの技術が実用化されれば、排煙処理の過程で発生する副産物を貴重な資源へと転換し、循環型社会の実現に貢献することができます。また、二酸化炭素の排出量削減も重要な課題です。二酸化炭素を回収し、地下に貯留する技術や、回収した二酸化炭素を燃料や化学製品の原料として利用する技術の開発も進められています。これらの技術革新によって、火力発電はより環境に優しいものへと進化していくことが期待されています。
SDGs

脱硫技術の進展と地球環境保護

近年、地球の周りの環境が悪化しているという問題に、多くの人が目を向けるようになりました。空気中を汚す物質を減らすことは、すぐに取り組むべき大切な課題です。中でも、硫黄と酸素がくっついたものは、酸性の雨を降らせたり、呼吸をする時に使う器官に悪い影響を与えたりと、深刻な環境問題の大きな原因となっています。そのため、燃料や煙突から出る煙から硫黄を取り除く技術は、環境を守る上でとても大切な役割を果たしているのです。この技術は、火を使って電気を作る工場や石油を作る工場など、様々な産業で使われており、地球環境を守るために大きく役立っています。火力発電所では、石炭や石油などを燃やすことで電気を作りますが、同時に硫黄酸化物も発生します。この硫黄酸化物を大気中に放出してしまうと、先述のような環境問題を引き起こすため、脱硫装置を設置して排煙から硫黄酸化物を除去することが不可欠です。装置の中では、主に石灰石などの吸収剤を使って、化学反応によって硫黄酸化物を硫酸カルシウム(石膏)のような安全な物質に変換します。こうして発生した石膏は、建築材料などとして再利用されることもあります。資源を有効に活用しながら環境負荷を低減できるという点で、脱硫技術は循環型社会の実現にも貢献していると言えるでしょう。製油所では、原油からガソリンや軽油などを精製する過程で、硫黄化合物が生成されます。これらの硫黄化合物は製品の品質を低下させるだけでなく、燃焼時に硫黄酸化物を発生させる原因となるため、脱硫工程が必要です。水素化脱硫という方法を用いて、硫黄分を硫化水素ガスとして分離し、これを回収して硫黄や硫酸といった有用な製品に転換しています。このように副産物を有効活用することで、経済的なメリットも生み出しているのです。今後、地球環境への意識はさらに高まり、より高度な脱硫技術の開発が求められるでしょう。例えば、排煙中の硫黄酸化物をより効率的に除去できる技術や、発生した副産物をさらに有効活用できる技術の開発が期待されます。これらの技術革新によって、地球環境の保全と持続可能な社会の実現に、より一層貢献していくことが重要です。
燃料

C重油:エネルギーと環境問題

C重油は、原油を精製する過程で生まれる様々な石油製品の一つです。原油を加熱し、沸点の違いを利用して成分を分離していくと、ガソリンや灯油、軽油などが順番に得られます。これらの比較的軽い油を取り除いた後に残るのが、沸点と比重が最も高いC重油です。常温では固体に近く、まるでアスファルトのように粘り気が非常に強いため、そのままではパイプライン輸送もできません。そのため、使用時には温めて粘度を下げる必要があります。JIS規格では、重油は粘度によって三つの種類に分けられています。粘度が低い順にA重油、B重油、C重油となります。A重油は軽油とほぼ同じ性質を持ち、家庭用ボイラーなどにも使われますが、C重油は大型船舶のエンジンや工場のボイラー、発電所など、大規模な施設で使われています。C重油の主成分は、蒸留の後に残る残渣油です。原油に元々含まれていた硫黄分は、軽い成分が分離される過程で残渣油に濃縮されていきます。そのため、C重油は硫黄分を多く含むという特徴があります。この硫黄分が燃焼時に酸化すると、硫黄酸化物となって大気中に放出されます。硫黄酸化物は酸性雨の原因となるため、環境への影響が大きい点が課題となっています。近年では、環境規制の強化に伴い、硫黄分の少ない低硫黄C重油の使用や、排煙脱硫装置の設置などが進められています。また、C重油に代わる燃料として、液化天然ガス(LNG)や再生可能エネルギーへの転換も注目されています。