原子力発電 ウラン粗製錬:イエローケーキへの道
ウランは原子力発電の燃料となる大切な元素です。しかし、ウランが含まれる鉱石には、ウランはほんの少ししか入っていません。鉱石をそのまま遠くの工場まで運ぶと、輸送に大きな費用がかかってしまいます。そこで、ウラン鉱石を採掘した場所の近くで、ウランの濃度を高める作業を行います。この作業を粗製錬と言います。粗製錬では、まずウラン鉱石を砕いて細かくします。次に、砕いた鉱石に薬品を加えてウランを溶かし出します。ウラン以外の岩石や土などは溶けないので、ウランだけを分離することができます。溶かし出したウランを含む液体から、様々な化学処理を経て、固体のウラン化合物を作ります。このウラン化合物は鮮やかな黄色をしているため、イエローケーキと呼ばれています。イエローケーキはウランの含有量が鉱石よりもずっと高くなっています。そのため、イエローケーキを運ぶ方が、鉱石を運ぶよりも輸送コストを大幅に抑えることができます。粗製錬は、ウラン鉱石からイエローケーキを作るまでの大切な工程です。イエローケーキは、さらに転換、濃縮、燃料加工といった工程を経て、原子力発電所で利用される燃料になります。ウランは、原子力発電所以外では利用されることがほとんどありません。そのため、粗製錬はウランを原子力発電で利用するための最初の段階であり、原子力発電の燃料を作るための最初の重要な一歩と言えるでしょう。
