原子力発電 未来の原子力:専焼高速炉
高速炉とは、その名前の通り、高速で移動する中性子を使って核分裂反応を起こす原子炉のことです。原子炉では、ウランやプルトニウムといった核燃料が核分裂を起こし、莫大なエネルギーを発生させます。この核分裂反応の引き金となるのが中性子と呼ばれる小さな粒子です。中性子の速度によって原子炉の種類が分けられます。現在、日本で広く使われている原子炉は軽水炉と呼ばれ、水を使って中性子の速度を落とすことで核分裂反応を制御しています。一方、高速炉は中性子の速度を落とさずに、高速のまま核分裂反応を起こします。そのため、軽水炉で使われている減速材は必要ありません。高速炉には、軽水炉にはない大きな利点があります。それは、ウラン資源をより効率的に利用できるという点です。軽水炉ではウラン235という特定の種類のウランしか利用できませんが、高速炉ではウラン238という、天然ウランの大部分を占める種類も利用できます。ウラン238は高速中性子を吸収することでプルトニウム239という別の核燃料に変化し、これが核分裂を起こすのです。このプルトニウム239の生成と利用こそが、高速炉の大きな特徴であり、ウラン資源の有効利用につながります。さらに、高速炉は、使い終わった核燃料からプルトニウムを取り出し、再び燃料として利用する、いわゆる核燃料サイクルにおいて重要な役割を果たすと期待されています。高速炉を用いた核燃料サイクルは、核燃料資源の有効利用だけでなく、高レベル放射性廃棄物の発生量を抑制できる可能性も秘めています。そのため、高速炉は将来のエネルギー供給を支える重要な技術として、研究開発が進められています。
