SDGs 電気料金と環境問題:隠れたコストを考える
私たちが日々行う経済活動は、売買に関わっている人たちの間だけで完結するとは限りません。時に、その活動は関係のない人々に予期せぬ影響を与えることがあります。例えば、電気を生み出すための発電所を考えてみましょう。発電所は私たちの生活に欠かせない電気を供給してくれますが、同時に、大気汚染物質を排出することもあります。この排出された物質は、周辺に住む人々の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。このように、経済活動によって取引に直接関わっていない第三者に生じる影響のうち、市場では価格に反映されていない費用のことを、外部費用と呼びます。もう少し具体的に説明すると、発電所が電気を生産する際にかかる費用には、燃料費や人件費、設備の維持費などがあります。これらの費用は、発電所を運営する企業が直接負担し、電気の価格にも反映されます。つまり、電気を使う私たちは、これらの費用を間接的に負担していると言えるでしょう。しかし、大気汚染によって生じる健康被害への費用、例えば、病院にかかる費用や仕事ができなくなることによる収入の減少などは、電気の価格には含まれていません。これが外部費用です。外部費用は、生産者や消費者だけでなく、社会全体が負担する費用なのです。この外部費用の問題を無視してしまうと、どうなるでしょうか。企業は、自らが負担していない費用については考慮せずに生産活動を行います。結果として、社会全体にとって望ましい量よりも多くの電気が生産され、大気汚染も過剰に発生してしまう可能性があります。真の費用、つまり、生産に伴う直接的な費用と外部費用を合わせた費用を把握することで、初めて環境問題や社会問題を含めた適切な意思決定を行うことができます。持続可能な社会を実現するためには、この外部費用を正しく理解し、適切な対策を講じることが必要不可欠です。
