原子力発電 放射性物質の体内吸収:吸収率の理解
放射線を出す物質が私たちの体の中に入り、どれくらい影響を与えるのかを知る上で、吸収率はとても大切な値です。この吸収率は、体の中に入った放射線を出す物質のうち、実際に血液などにどれくらい移るのかという割合を表しています。つまり、どれだけの量が体に吸収され、体に影響を与えるかを判断する基準となるのです。放射線を出す物質が体の中に入る経路は大きく分けて三つあります。まず一つ目は、食事と一緒に口から入って、胃や腸などの消化管を通る経路です。毎日食べるものや飲むものと一緒に体の中に入ってくる場合です。二つ目は、呼吸をする時に鼻や口から吸い込んで、肺や気管に付着する場合です。空気中に漂っている放射線を出す物質を吸ってしまう経路です。そして三つ目は、皮膚に付着した放射線を出す物質が皮膚から吸収される経路です。皮膚に直接触れたものが体の中に入ってくる場合です。体の中に入った放射線を出す物質は、全てが吸収されるわけではありません。吸収される割合は、物質の種類や大きさ、形などの性質、また、物質が何でできているのかといった性質によって大きく変わってきます。例えば、同じ物質でも、粉状か固まりか、液体に溶けているかなど、その状態によって吸収率は違ってきます。また、物質によって体に吸収されやすいものとされにくいものがあります。そのため、放射線を出す物質の種類ごとに吸収率はそれぞれ決まっています。吸収率は、体内への入り方によって、「消化管からの吸収率」「肺からの吸収率」「皮膚からの吸収率」といったように、それぞれ区別して呼ばれます。どの経路で体の中に入ったかを考えることは、被ばく線量を正しく評価するためにとても重要なのです。
