原子力発電 原子力発電所の重大事故:シビアアクシデントとは
原子力発電所で起こりうる最悪の事態の一つとして、想定をはるかに超える深刻な事故、いわゆる『重大な事故』が挙げられます。これは、発電所の設計段階で想定されているあらゆる安全対策をもってしても、原子炉の炉心を冷却したり、核分裂反応を制御したりすることができなくなる事態を指します。その結果、炉心には重大な損傷が発生し、取り返しのつかない事態へと発展する可能性があります。簡単に言うと、原子炉の安全装置が何らかの原因で正常に作動せず、原子炉の心臓部である炉心が溶けてしまう、まさに最悪の事態を想像してみてください。このような事故は、専門用語では『炉心損傷事故』とも呼ばれ、その深刻さは炉心の損傷の程度や、放射性物質を閉じ込めるための格納容器がどの程度健全であるかによって大きく左右されます。重大な事故では、炉心の損傷はもとより、高温になった炉心から発生する水素と原子炉構造物との反応による水素爆発や、格納容器の破損といった、更なる深刻な事態に繋がる可能性も否定できません。このような事態を防ぐため、原子力発電所には多重防護の安全対策が講じられていますが、重大な事故は原子力発電所の安全性に関わる最悪のシナリオの一つと考えられており、絶対に避けるべき事態です。発電所の設計段階から運転、保守管理に至るまで、あらゆる段階で安全対策を徹底し、重大な事故の発生確率を最小限に抑える努力が続けられています。
