原子力発電 プルトニウム生産炉:平和利用と核拡散のジレンマ
プルトニウム生産炉とは、プルトニウムを作ることを主な目的とした原子炉のことです。プルトニウムは核兵器の材料となるため、軍事利用の側面が強く懸念されています。プルトニウム生産炉は、冷戦時代、アメリカ、イギリス、フランス、ロシアといった核兵器を持つ国々が、核兵器開発競争の中で盛んに建設、運転していました。これらの国々は、核兵器を増やすために、プルトニウムを大量に必要としていました。当時、プルトニウム生産炉の多くは、黒鉛を減速材に、普通の水を冷却材に使う形式で、天然ウランや少しだけ濃縮したウランを燃料としていました。原子炉の中で核分裂反応が起きると、プルトニウムが生まれます。そして、使い終わった核燃料を再処理工場で化学的に処理することで、プルトニウムを取り出します。ハンフォード、ウィンズケール、マルクール、チェリャビンスクといった地名は、かつてプルトニウム生産炉が稼働していた場所として知られています。これらの地域では、黒鉛を減速材に空気を冷却材に使う形式や、重水を減速材と冷却材に使う特殊な形式の原子炉も存在しました。これらの原子炉は、プルトニウム生産という目的のために設計、建設されたものでした。冷戦終結後、多くのプルトニウム生産炉は停止されましたが、現在も中国では稼働しているプルトニウム生産炉があるとされています。プルトニウム生産炉の存在は、核不拡散の観点から国際的な懸念材料となっています。プルトニウム生産炉の運転状況やプルトニウムの保有量については、透明性の確保と国際的な監視体制の強化が求められています。
