再生可能エネルギー普及の鍵、RPS制度

電力を知りたい
先生、「RPS制度」ってよく聞くんですけど、何のことか教えてください。

電力の専門家
RPS制度は、簡単に言うと、電力会社が太陽光や風力などの再生可能エネルギーで作った電気を、一定量以上使うことを義務づける制度だよ。正式には「電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法」っていうんだ。

電力を知りたい
なるほど。どうしてそんな制度があるんですか?

電力の専門家
地球環境を守るためと、エネルギーを安定して供給するためだよ。再生可能エネルギーを増やすことで、地球温暖化の原因となる二酸化炭素の排出量を減らせるし、資源の少ない日本でエネルギーを安定して確保することにも繋がるんだ。
RPS制度とは。
『電力供給の安定化と環境への配慮を両立させるための制度』について説明します。この制度は、『再生可能エネルギー源の固定比率利用制度』と呼ばれ、風力、太陽光、地熱、小規模水力、バイオマスといった自然エネルギーによる発電を電力会社に一定量以上義務付けるものです。正式には『電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法』と言い、2003年4月から始まりました。
電力会社は、毎年販売する電気の量に応じて、一定の割合以上を自然エネルギーで発電した電気で賄う必要があります。この割合は段階的に増やされ、2010年度には全国の電力供給量の1.35%(122億キロワット時)に達する見込みです。
電力会社はこの義務を果たすために、三つの方法から選ぶことができます。一つ目は、自社で自然エネルギー発電所を建設し、電気を供給する方法です。二つ目は、他の自然エネルギー発電事業者から電気を買って供給する方法です。三つ目は、他の事業者から自然エネルギーによる発電量に相当する金額を買い取ることで、義務の量を減らす方法です。
制度の目的

現代社会は、人々の暮らしを支えるエネルギーを安定して供給することと、地球環境への負荷を少なくするという、一見相反する二つの課題に直面しています。この二つの課題を両立させ、将来世代も安心して暮らせる持続可能な社会を築くためには、再生可能エネルギーの利用を広げていくことが欠かせません。そこで、再生可能エネルギーの普及を促すために導入されたのが、再生可能エネルギー特別措置法に基づく固定買取制度(FIT制度)と再生可能エネルギー電源促進賦課金制度(RPS制度)です。
RPS制度は、正式名称を「電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法」と言い、2003年4月から施行されています。この制度は、一定規模以上の電気を供給する事業者に対し、再生可能エネルギーによって発電された電気を一定の割合以上で利用することを義務付けています。この義務を果たせない場合は、賦課金を支払う必要があります。対象となる再生可能エネルギーは、太陽光、風力、水力、地熱、バイオマスなど、自然界のエネルギーを利用した発電方法です。これらのエネルギー源は、石油や石炭のように枯渇する心配がなく、発電時に排出される二酸化炭素も少ないため、地球温暖化対策としても有効です。
RPS制度とFIT制度は車の両輪のように再生可能エネルギーの普及を支える制度です。FIT制度が再生可能エネルギーによる発電事業を支援することで導入を促進するのに対し、RPS制度は電力会社が一定量の再生可能エネルギー電気を購入することを義務付けることで、再生可能エネルギーの普及拡大と市場の活性化を図ることを目的としています。これらの制度によって、再生可能エネルギーの導入が促進され、地球環境への負荷軽減と持続可能な社会の実現に貢献することが期待されています。
| 制度名 | 概要 | 目的 |
|---|---|---|
| 固定価格買取制度(FIT制度) | 再生可能エネルギーによる発電事業を支援 | 再生可能エネルギーの導入促進 |
| 再生可能エネルギー電源促進賦課金制度(RPS制度) | 一定規模以上の電力会社に再生可能エネルギー電気の一定割合以上の利用を義務付け | 再生可能エネルギーの普及拡大と市場の活性化 |
RPS制度の対象となる再生可能エネルギー:太陽光、風力、水力、地熱、バイオマスなど
RPS制度とFIT制度は車の両輪のように再生可能エネルギーの普及を支える制度
制度の内容

再エネ賦課金制度、通称賦課金制度は、電気を販売する事業者に対して、再生可能エネルギーで発電された電気の購入を義務付ける制度です。この制度の中核となるのが、電気事業者への義務付けです。
具体的には、各電気事業者は、毎年の販売電力量に応じて、一定割合以上の再生可能エネルギー等で発電された電気を利用することが求められます。この割合は法律によって定められており、段階的に引き上げられる仕組みになっています。この割合のことを賦課金割合と呼びます。
賦課金割合が段階的に引き上げられるのは、再生可能エネルギーの導入を加速させ、持続可能なエネルギー社会へ円滑に移行するためです。この制度によって、再生可能エネルギーによる発電量が増加し、地球温暖化の主な原因とされる二酸化炭素の排出量削減に繋がることが期待されています。また、エネルギー源の多様化を促進することで、エネルギー安全保障の強化にも貢献すると考えられています。
この制度の目標達成年度には、全国の電力供給量における再生可能エネルギー等の割合を大幅に増加させることを目指しています。これは、化石燃料への依存度を低減し、地球温暖化対策に大きく貢献するための重要な施策の一つです。同時に、再生可能エネルギー関連産業の育成・発展を促し、新たな雇用創出や地域経済の活性化にも寄与することが期待されています。
賦課金制度は、国民全体で再生可能エネルギー導入を支える仕組みであり、持続可能な社会の実現に向けた重要な役割を担っています。この制度を通じて、将来世代に豊かな地球環境を引き継ぐことができるよう、再生可能エネルギーの普及促進が図られています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 制度名称 | 再エネ賦課金制度(賦課金制度) |
| 目的 | 再生可能エネルギーの導入促進、地球温暖化対策、エネルギー安全保障の強化、再生可能エネルギー関連産業の育成 |
| 仕組み | 電気事業者に対し、販売電力量に応じた再生可能エネルギー電気の利用を義務付け |
| 賦課金割合 | 再生可能エネルギー電気の利用割合。法律で定められ、段階的に引き上げ |
| 効果 | 再生可能エネルギー発電量の増加、CO2排出量削減、エネルギー源の多様化、雇用創出、地域経済活性化 |
| 目標 | 電力供給における再生可能エネルギー等の割合の大幅増加、化石燃料依存度の低減 |
義務履行の方法

電力会社は、再生可能エネルギー電気の供給を義務づける制度のもと、その義務を果たすために幾つかの方法を選ぶことができます。まず一つ目の方法は、自社で太陽光、風力、水力、地熱、バイオマスといった再生可能エネルギーを用いた発電所を新たに建設し、そこで発電した電気を供給する方法です。自ら発電設備を持つことで、電力の供給量を自ら調節できるという利点があります。
二つ目の方法は、既に再生可能エネルギーによる発電事業を行っている他の会社から電気を買い取って、それを供給する方法です。自社で発電設備を建設するよりも手軽に、再生可能エネルギーの供給義務を果たすことができます。この方法は、再生可能エネルギー発電事業を専門とする会社を支援することにも繋がります。
そして三つ目の方法は、他の会社から、再生可能エネルギーに由来する電気の相当量を証書の形で買い取る方法です。この証書は、再生可能エネルギーで発電された電気の環境的な価値を裏付けるものです。この証書を購入することで、自社の供給義務量を帳消しにすることができます。この方法は、再生可能エネルギー発電事業を行う会社への投資を促す効果も期待できます。資金面で新たな発電所建設が難しい会社でも、この方法を用いることで、間接的に再生可能エネルギーの普及に貢献できます。
このように、電力会社はそれぞれの会社の状態や方針に合わせて、自社での発電、他社からの電力購入、証書購入という三つの方法から、最も適した方法を選択し、柔軟に義務を履行することが可能です。これらの選択肢があることで、より多くの再生可能エネルギーが利用されるようになり、地球環境への負担軽減に繋がることが期待されます。
| 方法 | 説明 | 利点 |
|---|---|---|
| 自社発電 | 太陽光、風力、水力、地熱、バイオマスといった再生可能エネルギーを用いた発電所を新たに建設し、そこで発電した電気を供給する。 | 電力の供給量を自ら調節できる。 |
| 他社から電力購入 | 既に再生可能エネルギーによる発電事業を行っている他の会社から電気を買い取って、それを供給する。 | 自社で発電設備を建設するよりも手軽に、再生可能エネルギーの供給義務を果たせる。再生可能エネルギー発電事業を専門とする会社を支援できる。 |
| 証書購入 | 他の会社から、再生可能エネルギーに由来する電気の相当量を証書の形で買い取る。 | 自社の供給義務量を帳消しにできる。再生可能エネルギー発電事業を行う会社への投資を促せる。資金面で新たな発電所建設が難しい会社でも、間接的に再生可能エネルギーの普及に貢献できる。 |
制度の成果と課題

再生可能エネルギーの固定価格買取制度(固定価格買取制度)に代表されるような、再生可能エネルギーを普及させるための様々な仕組みが導入されて以降、太陽光発電や風力発電といった再生可能エネルギーによる発電量は増加し、地球環境への負荷を低減するという面では一定の成果をあげています。こうした制度は、再生可能エネルギーによる発電事業を行う事業者に対して、一定期間、固定価格で電気を買い取ることを電力会社に義務付けるもので、再生可能エネルギーの普及を促進する上で大きな役割を果たしてきました。特に、太陽光発電は住宅の屋根に設置できるなど、比較的小規模な設備投資で発電できるため、急速に普及しました。
しかしながら、再生可能エネルギーの更なる普及のためには、解決すべき課題も残されています。一つは、天候に左右されるという再生可能エネルギーの性質による電力供給の不安定さです。太陽光発電は日照がなければ発電できませんし、風力発電は風がなければ発電できません。これらの再生可能エネルギーは、火力発電や原子力発電のように、安定的に電力を供給することが難しいという側面があります。この不安定さを解消するために、蓄電池の導入や、電力系統の整備などが課題となっています。もう一つの課題は発電コストの高さです。再生可能エネルギーは、火力発電や原子力発電に比べて、発電コストが高い傾向にあります。特に、太陽光発電や風力発電は、初期投資額が大きいため、発電コストを下げることが大きな課題となっています。これらの課題に加えて、送電網の容量不足も指摘されています。再生可能エネルギー発電設備が多く設置される地域では、発電された電気を送電するための送電網が不足しており、せっかく発電した電気を送電できないという事態も発生しています。
これらの課題を克服するために、技術開発の推進や、制度の改善など、更なる取り組みが必要不可欠です。例えば、発電効率の高い太陽電池の開発や、低コストで高性能な蓄電池の開発などが期待されています。また、制度面では、再生可能エネルギーによる電気を優先的に利用するような制度設計や、送電網の整備を促進する制度なども検討する必要があります。さらに、国民一人ひとりが省エネルギーに努めることも、再生可能エネルギーの普及を促進する上で重要な役割を果たします。
| 現状 | 課題 | 対策 |
|---|---|---|
| 再生可能エネルギー発電量の増加、地球環境への負荷低減に貢献 |
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将来への展望

再生可能エネルギーの固定価格買取制度(固定価格買取制度)に続く制度として、再生可能エネルギー電源の導入を促進する役割を担う賦課金付き供給義務制度(賦課金付き供給義務制度)は、将来のエネルギー供給において中心的な役割を果たすと期待されています。この制度は、電力会社に対し、再生可能エネルギーによって発電された電気を一定割合以上供給することを義務付けるものです。この仕組みにより、再生可能エネルギーの導入拡大を促し、低炭素社会の実現に貢献することを目指しています。
賦課金付き供給義務制度を効果的に運用し、再生可能エネルギーの普及をさらに加速させるためには、いくつかの重要な課題に取り組む必要があります。まず、制度の透明性を高め、国民への理解を深めることが重要です。制度の目的や仕組み、賦課金の使途などを分かりやすく説明することで、国民の支持を得ながら制度を運用していくことができます。同時に、電力会社間、国、地方自治体、そして再生可能エネルギー発電事業者といった関係者間の連携を強化することも不可欠です。情報共有や意見交換を活発に行い、共通の目標に向けて協力することで、制度の円滑な運用を図ることができます。
また、再生可能エネルギー技術の開発支援も重要な課題です。太陽光発電、風力発電、水力発電、地熱発電、バイオマス発電といった多様な再生可能エネルギー源の技術革新を支援することで、発電コストの低減や安定供給の実現を目指します。さらに、送電網の整備や蓄電池技術の開発も進めることで、再生可能エネルギーを最大限に活用できる体制を構築していく必要があります。
賦課金付き供給義務制度は、地球環境の保全だけでなく、エネルギー自給率の向上にも大きく貢献する制度です。持続可能な社会を実現するために、この制度を継続的に見直し、改善していくことが重要です。再生可能エネルギーが主力電源となる未来を描きながら、関係者全員が協力して、賦課金付き供給義務制度の更なる発展に取り組む必要があります。
| 制度名 | 概要 | 目的 | 課題 |
|---|---|---|---|
| 賦課金付き供給義務制度 | 電力会社に対し、再生可能エネルギーによって発電された電気を一定割合以上供給することを義務付ける制度。 | 再生可能エネルギーの導入拡大、低炭素社会の実現 |
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私たち一人ひとりの役割

私たち一人ひとりは、地球環境を守るために重要な役割を担っています。再生可能エネルギーの普及は、国や企業の取り組みだけでなく、私たちの行動によって大きく左右されるからです。
まず、日常生活の中で省エネルギーを心掛けることが大切です。使っていない電灯をこまめに消したり、冷暖房の設定温度を控えめにしたり、家電製品を省エネルギータイプの製品に買い替えたりするなど、小さな心がけの積み重ねが大きな効果を生み出します。
さらに、再生可能エネルギーで発電された電気を選ぶことも重要です。電力会社によっては、太陽光や風力、水力、地熱などの再生可能エネルギー由来の電気を供給するプランを提供しています。このようなプランを選択することで、再生可能エネルギーの利用を促進し、二酸化炭素排出量の削減に貢献できます。
家庭での取り組みも大きな力となります。自宅に太陽光発電システムを設置することは、再生可能エネルギーの導入を直接的に進める有効な手段です。太陽光で発電した電気を自家消費するだけでなく、余剰電力を電力会社に売却することも可能です。初期費用はかかりますが、長期的に見ると経済的なメリットも得られます。
また、新エネルギー由来の電力会社を選ぶことで、間接的に再生可能エネルギーの普及を支援できます。自分の生活スタイルや価値観に合った電力会社を選択することは、持続可能な社会の実現に向けて重要な一歩となります。
エネルギー問題に関心を持ち、積極的に議論に参加することも欠かせません。地域社会やインターネット上のフォーラムなどで、エネルギー問題について意見交換したり、情報を共有したりすることで、より多くの人々が問題意識を持つようになり、再生可能エネルギーへの理解も深まります。
持続可能な社会の実現は、私たち一人ひとりの行動にかかっています。未来の世代のために、できることから一つずつ始めていきましょう。

